その人が実際何をして、何をしていないかで本質が浮き彫りになる

ある著作のタイトルに興味を惹かれて、思わずウーンとなってしまった。

①事前に上手くいくと思っていて、やってみたら上手くいった。

②事前に上手くいかないと思っていて、やってみたら上手くいった。

③事前に上手くいくと思っていて、やってみたら上手くいかなかった。

④事前に上手くいかないと思っていて、やってみたらやっぱり上手くいかなかった。

上記4つのパターンの現象に対する、人の感情やストレスの度合いはどうだろうか。

①は、予想通りなので、満足度も幸福度も低いのだそう。

③が一番、落ち込むだろうし、他の事にまでマインドが低くなってしまいます。

④の方が、心の面ではダメージは少なさそうです。結果は③と同じであっても。

必ず結果を出さないと・・・ 負けるわけにはいかない・・・  誰よりも

一生懸命やって来たのに・・・ なんでアイツで私で無いんだ・・・ などなど

結果が出れば、自ずと更に上へとか、追いつめて行ってしまいます。此処まででという

歯止めは自身ではなかなか決断出来ません。もう緊張のしっ放しの精神状態で緩む時間

を摂れなくなった自律神経の不調を訴える方も多いのだそう。

弛緩の言葉通り、オンとオフどちらも大事、オンばかりでは体がモタナイです。

本の著者は、怠ける訳ではなく、趣味で過ごす時間とは違い、仕事は楽しい事ばかりでは

有りませんし、またコントロールも出来ません。その中であっても自身のスキルをコンスタント

に提供しつつ、昨日よりも今日ちょっとだけでも効率でも良いですし、モチベーションが

乱されにくい環境を(個人レベルでの)アレンジしたりしてみたりする。

この行動で人から評価を受けようとも思わず、ゆっくりで良いから継続中のパフォーマンスが

良いのだとか。そして過大な評価を期待しない、むしろ悲観主義なイメージで日々いると、感情

の乱れが最小限で食い止められる。上手く行かなくても 「そうは問屋が卸さないか」とか

「世の中甘くないな」と俯瞰的に見れれば何の問題もないと。

仕事の向かう先にいるお客は、自分の思い通りにはならない。全戦全勝は不可能ですし、野球でも

4割バッターはいません、10回中6回以上負けてるんですね。それで負け方が上手くなっていく。

負けは負けでまた違う味があるのだとか、負け方が綺麗な人こそ本物とも書かれている。

幸福のもっとも大きな障害は、過大な幸福を期待することにある。

そうそう上手く行く筈はない、誰しもそうなりたくて日々精進しているのだから、いつもいつもは

有り得ないのが普通であって、明日宝くじが当たる、競馬で一発当てて借金返済なんで考えてはいけない。

会社が悪い、世間が悪い、時代が悪かった、日本が悪いと言っても、冷静な状態ならばよく分かるの

でしょうけど、鬱憤晴らしはその時だけの感情だけで何の解決にもならないのでは。

成功している人のある一部分の明るい面だけみて比較して、浮き沈みの感情を紛らわせても

ホンの一時期だけで、すぐに感情が萎えて来ますね。

「なんとかなる」なんて根拠のない希望的観測も希望してない方向に行く事の方が実際は多いのでは

無いでしょうか。自分に都合よく考えない、特に意識していなかったことがちょっとだけ

良い方向に転がることが、極たまに極々ですが、会った時の幸福度は格別では無いでしょうか。

ビートたけしさんも何かで話された記事を見た時があって、日々の暮らしは辛い事の方が多くて

嫌んなることもあるが、たまに神様がご褒美をくれる時があって、その時に「やってて良かったな」

とその1回で今までの嫌な事が帳消しになるという事の意味合いであったように思う。

スポーツなどの勝負事ではありませんから、仕事での成功と失敗の基準は曖昧です。

「他人が良いと思うものを持っている」事がステータスで幸福なのだと認識してしまうと、生活

が窮屈になって、常に戦闘モードになってしまい、疲れ果ててしまいますよ。

人それぞれ思いがあって、理解が進んでいれば良いのですが、自身の同等または格下と認識していた

方の成長に喜ぶ事が出来ず、セーフティーネットの崩壊の危機感から心穏やかにならない。

しかし心持ひとつで、妬み嫉みもたず、自分は日々精進していくならば、時たま貴方にも飴玉を

貰えます。その忘れかけてた頃に貰えると、何倍も幸福度が高くなるようです。

上手く行かなかった、失敗続き、そういうところはフォーカスされがちですが、良かった時の感情

は、数は少ないが故に、よく覚えていられる。「あの時は楽しかった」「あの一言で救われた」など

人は、物欲や仕事での賃金アップなどもその短時間は高揚するがすぐに慣れてしまい、「もっともっと」と

キリが無いものらしいので、書籍でいうところの「ベストセラー」を目指さないで「ロングセラー」を

目指す方向が、精神安定上もっとも幸福度が高いのではないかと結んでいる。