人を使うには使われる身になること、教えるには教えられる身になること
最近読んだ本に、元ℕTPグループ社長の小栗さんで、トヨタの変化(ここでは曲がり角と呼んでる)について書かれてた。
現在の章男さんが社長についてからグッと変化が著しくなってきたという話。過去の社長陣は、少なくとも従業員の声を聞く
風習があった。一にユーザー、二にディーラー、三にメーカーを謳っていた。トヨタの原点というべき、ユーザー、ディーラー
の社員たち、そして自社の社員たちを大事にする企業だったと。陰で三河の田舎もんと言われながらも強い絆で結ばれていたと。
政治の世界もそうだが、トヨタ関連も世襲制が幅を利かせていた。長男が跡継ぎという徳川家康の「長幼の序」を重んじ、
同じグループ内でトヨタ・トヨペット・カローラ・ネッツ・レンタリース・トヨタホームといったように分かれていて、それ相応に
人事を配置し、親から子へ、子から孫へと受け継ぐ戦略を繋いでいたが、当然ながら緩みも散見したが、諸刃の剣で維持するも、
トヨタが世界の名だたる企業になるにつれ、世襲制に限界を感じ、統合され、管理され、マニュアル化され、面白みの無い職場に
なってしまったと書かれている。こんなに大企業なのに、大学生の就職希望者には人気が無いのだそう。
いまや関連企業は、トヨタとの契約により、子会社同様に扱われ、メーカー様にお伺いを立てないと何も出来ないほど束縛され、
おまけに何か事を起こすと監査を入れてすぐに締め付ける。究極は、「トヨタで儲けた金は、トヨタで使え」と、何も考えなくて良い、
トヨタの言う事を守っていれば、それなりに食っていけると言っているようにも聞こえますね。
ここも政治家や大企業の上席の方々と同じで、ある程度の年数を過ごせば、天下り先があって、何も問題なく過ごせば、更に転籍や出向でも
好待遇で定年以後も過ごしていけるので、自ら張り切って改革や開発などしない。失敗することが一番恐れることだから、先送りで
時間を浪費するから始末が悪い。現在の石破さんだって、辞めろ辞めろと言ってる人たちは、叩けば埃は出る方達で無いんだろうか。
「リーダーを選ぶ」のでは無くて、「次に誰をトップに持ってくるか」という私利私欲の視点で決まっていないか。
年次だったり、集団の数の論理であったりと。総理大臣さえも、多くは派閥の論理で選ばれるから、この国を良くしようと
する人は、選挙では良い事を話しても、政策立案の段になると、派閥の方針に従わなくてはと・・・やりたいことが出来ないのが
本当の所なのでは、せめて国民から選べる首相だったり、国民の意思で退陣もさせられる事も出来たら、投票率も上がるし、期待も
高い。アメリカの大統領選の熱狂を見ると、「自分たちでリーダーを決めるのだ」というエネルギーは凄いし、熱いです。
学歴詐称で話題になってる某市の市長もそこが問題で無く、政策実現でリーダーシップを発揮できれば、こんな学歴どうので無く
、公約が遂行出来ていないとかで辞任を求めるような形だと良かったのにと、締まりのない経過にますます不信感が募るのは
自分だけでしょうか。
「利他の精神」 ウソをつくこと、ごまかすこと、いい加減なことを言うこと この3つの禁止を実践し、
誰かが喜ぶようにする、自分より誰かのためになることを優先する。 著者は何度もこの言葉を口にしている。